北朝鮮籍とみられる船の最近の漂着・漂流
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日本海側に漂着・漂流する北朝鮮籍とみられる船は夏場に比べ冬場に多い。大陸側からの北西風が強まることが要因とみられる。日本の排他的経済水域(EEZ)にある日本海の好漁場「大和堆(やまとたい)」周辺では昨秋以降、北朝鮮が違法操業を続けており、今年も9月以降に老朽化した小型木造船が確認されている。荒れる日本海への“無謀な遠征”で航行が不能になった可能性がある。

 海上保安庁によると、秋田県の男鹿半島から西に約400キロの大和堆では春と秋にスルメイカが取れる。北朝鮮の漁船は今春、長さ十数メートルの古びた木造船のみが操業。秋シーズンは長さ約40メートルの鋼船に交じって漁を続ける木造船が確認された。鋼船の投入は秋に増えるしけへの対応とみられる。

 気象庁は、日本海沖合の波高が秋には台風などの影響を受けて5メートル超になることもあるとみており、「小型の木造船にとって航行は過酷」(海保関係者)だ。15日には大和堆北方の日本のEEZ外側で、転覆した北朝鮮の小型木造船が見つかり、海保の巡視船が船底上にいた北朝鮮の男性3人を救助。翌日にも約50キロ離れた海域で転覆した船が新たに発見された。

 海保関係者によると、木造船は鋼船と比べ水面下の喫水が浅いため、漂流した場合には風の影響を受けやすい。11月以降は冬型の気圧配置となって大陸からの北西風が頻繁に吹いており、風に押し流されて日本海沿岸に漂着した可能性がある。鋼船は転覆すれば沈むため漂着・漂流するのは木造船が多いとみられる。

 北朝鮮籍とみられる船の漂着・漂流は今年、約50件確認されているが、11月に初めて2桁台を記録した。28年は1月12件、2月12件、12月13件で、年間66件の半数以上を冬場が占めた。

配信2017.11.28 07:11更新
産経ニュース
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