あの幾何学模様の原画も展示「8時だヨ!全員集合」展 情報提供求む!!切実な理由

11/30(木) 10:47配信
朝日新聞デジタル
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171130-00000033-asahi-bus_all

企画展を担当した1人、小野正彦さん。分かりやすく展示を解説してくれる。なつかしのバンドバックの前で記念撮影もできる。
インスタ映えします=東京都杉並区の区立郷土博物館分館
https://amd.c.yimg.jp/amd/20171130-00000033-asahi-000-1-view.jpg

 バラエティー番組がひな壇芸人のなれ合いと揶揄(やゆ)され、
国民的アイドルグループの元メンバーが出演したネット番組が社会的反響を呼ぶ。
そんな今となっては信じがたいぐらい、かつてテレビはお茶の間の娯楽の王様だった。
当時のちびっ子たちの記憶を呼び覚ます舞台美術を切り口に、
最高視聴率50%超を記録したお化け番組「8時だヨ!全員集合」をフィーチャーした企画展が、
東京都杉並区の区立郷土博物館分館で開かれている。

 「8時だヨ!全員集合」は、ザ・ドリフターズが主役を務めたバラエティー番組。1969年10月4日から16年間、
TBS系で土曜日午後8時から放送され、最高視聴率は50.5%を記録した。
緻密(ちみつ)に計算された台本によるコントやアイドル歌手ら多彩なゲストのパフォーマンスのほか、
志村けんさんの「東村山音頭」など、番組発のヒットソングも話題となった。

■荒井注さんの貴重なリハ写真

 企画展会場の扉を開けると広がるカラフルな幾何学模様。多くの中高年世代の瞼(まぶた)の裏に焼き付いて離れない模様のはずだ。
番組のオープニングやエンディング、コントの幕あいのゲスト歌手の歌唱など、バンド演奏タイムの背景に使われていたあの模様だ。
写真撮影用に壁一面に広がっているだけでなく、舞台デザイナーの山田満郎さんが描いた原画も展示されている。

 番組の特徴は、ほとんどが生放送だったこと。各地の公会堂や市民ホールなどでの公開収録で送られてくる生ならではの緊迫感や、
ミスやトラブルも含めて笑いに変えていくメンバーの掛け合いから目が離せなかった。
それを引き立てたのが舞台装置。コントの最後に崩れる家屋など、綿密に仕込まれた様々なカラクリが大きな魅力だった。

 今回の企画展は、803回放送された中で唯一、旧杉並公会堂で公演された1970年8月8日放送分の舞台の設計図や写真を中心に、
番組に関するこぼれ話を集めるかたちで構成されている。

 設計図によると、舞台にはメンバーが通れるように3カ所の穴があけられていた。リハーサルの様子の写真には、
後からドリフに加入した志村けんさんの姿はなく、脱退前の荒井注さんの姿が見られる。

 惜しむべきことに、当時はまだ高価だったカラー放送用のテープは番組後には再利用されてしまい、完全な形での放送映像が残っていない。
すでに半世紀近く経過しており、関係者にも物故者が多くなり、詳細が分からないことも多い。
そのため、展示会場には「情報提供のご協力お願いいたします!!」と書かれた、切実さの伝わるパネルも掲げられている。
2カ月間の準備期間で必死に資料を集めて回ったが、まだまだ企画展の担当者は満足していないという。


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