0001ハンバーグタイカレー ★
2017/11/30(木) 12:25:14.43ID:CAP_USER9透明で爽やか、かつ奥深い味わいの酒「ジン」の世界に、手作り感・高級感あふれる「クラフトジン」が広がりを見せている。英国発のクラフトジンブームを受けて、昨年は京都市内にジン専門の蒸留所も誕生。老舗の焼酎や日本酒の酒造会社の参入も相次いでいる。(村島有紀)
クラフトジンに明確な定義はないが、小規模な醸造所でビール職人が造る高品質なビールをcraft(技能、工芸)に例えた「クラフトビール」のジン版が近いようだ。
現在のジンの主流は、英国の「ロンドン・ドライ・ジン」と呼ばれる切れ味のよい種類。大手ジンブランド「タンカレー」は、通常のドライジンの2倍以上の価格となる「タンカレーナンバーテン」(700ミリリットル、参考小売り価格4千円+税)を2000年に発売、英国のジンブームを牽引(けんいん)している。マーケティング活動を行うキリン・ディアジオのシニアブランドアンバサダー、中牟田孝一さんは「生の果物を使う、かなり特殊な技術で造られ、ストレートで飲んでもグレープフルーツや甘いオレンジが香ってくる」。
日本国内での新規参入も相次ぐ。昨年8月には、酒類輸入販売業を営む英国人、デービッド・クロールさんらが、日本で初めてクラフトジン専門の蒸留所を京都市内に開設。ユズやサンショウ、ヒノキ、玉露、ショウガなど日本らしいボタニカル(植物)を使って香り付けした「季の美」を発売、人気を呼んでいる。
また、岡山市の宮下酒造は米焼酎をベースに、十数種類のボタニカルを配合した「クラフトジン岡山」を開発。鹿児島市の本坊酒造も地元産のキンカンの果実やシソなどを使った「和美人」を今年4月に、アサヒビールも大麦麦芽などを原料にした「ニッカカフェジン」を6月に新発売した。
財務省の貿易統計によると、平成28年のジンの輸入額は約19億円で過去最高、24年からの4年間に30%増加した。
東京・八重洲の「バー オーシャン」では、ここ2年で扱うジンが増え、今では10種前後に。店長の谷口哲一さん(53)は「世界的なウイスキー不足もあって、欧州だけでなく米国でも新規の蒸留所の開設が相次いでいる」と話す。
ジンは17世紀半ばに、オランダで生まれた熱病の薬が起源。「利尿効果があるといわれたスパイスのジュニパーベリー(セイヨウネズの実)をアルコールに浸して薬酒とし、解熱、健胃剤として販売されたのが始まり」と中牟田さん。蒸留を繰り返してアルコール度数を高める「ウオツカ」と製法が似ているが、ジュニパーベリーで香味づけすることで「ジン」になる。
ただ、そのころのジンは庶民の酒。アルコール度数が50度前後と高く、安価だったからだ。12月17日まで上野の森美術館(東京都台東区)で開催中の「怖い絵展」で、ウィリアム・ホガースが『ビール街とジン横丁』で描いたように、貧民をさいなみ廃人にする“安酒”としてのイメージが定着していた。
しかし、タンカレーの創業者であるチャールズ・タンカレーが「最高級のジンを造る」と、1830年、ロンドンに蒸留所を開設。味、品質とも飛躍的に向上したという。
キリンによると、タンカレーのナンバーテンは、前年比約1割増の過去最高の販売数量を記録。今年も過去最高を更新する見込みだ。中牟田さんは「ジントニックは日本人が最も好きなカクテルの一つ。家庭でも比較的簡単に作れるので手軽に楽しんでほしい」と話している。
日本で初めてのジン専門蒸留所で作られる「季の美」シリーズ
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ジントニックなどカクテルも
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