日本の防衛産業について考える講演会「2017平和のつどい」が9日、神戸市中央区橘通3、あすてっぷKOBEであった。I女性会議ひょうごの主催。武器輸出の問題点を追及してきた東京新聞の望月衣塑子記者を講師に招き、約250人が参加した。

 演題は「今なら止められる武器輸出 戦争ビジネスに舵を切らせるな」。望月記者は昨年、東京であった国際航空宇宙展に触れ「さながら世界の武器見本市の様相だった」と指摘した。欧米の軍事企業が積極的に出展し、日本も武器輸出を条件付きで認める一方、日本の防衛産業に連なる下請け企業には、武器輸出への懸念や慎重な声があることを紹介。「軍事で稼ぐ企業の論理が最優先され、欧米の武器生産の工程に、日本のあらゆる企業が飲み込まれていくのではという危機感が募った」と述べた。

 武器輸出を巡り、政府関係者や企業、研究者への取材を続けてきた望月さん。輸出戦略チームを設けた企業もあるという。「武器輸出解禁から3年で、中古の武器販売、海外での武器の共同開発の動きに拍車がかかっている。慎重だった企業にも、戦争ビジネスマインドが形成されつつあると感じる」と批判した。(段 貴則)

神戸新聞NEXT 2017/12/10 05:30
https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201712/0010804349.shtml