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12月12日 18時30分
アスベストを扱う工場で働き、肺がんなどの健康被害を受けた大阪などの元従業員や遺族が国に賠償を求める訴えを起こしました。国は、国の責任を認めた最高裁判所の判決を受け、裁判で健康被害との関係が認められれば賠償金を支払う方針を示していて、この手続きで裁判が起こされるのは全国で初めてです。

訴えを起こしたのは、アスベストを扱っていた大阪府や兵庫県の工場で働き、健康被害を受けた元従業員の男性や亡くなった人の遺族ら13人で、工場をやめたあと、肺がんなどの健康被害が出たということです。

アスベストの健康被害をめぐっては3年前、最高裁が昭和33年から46年までの間にアスベストを扱う工場で働き、健康被害を受けた人について国の責任を認めたことを受け、国は、裁判で健康被害との関係が認められれば和解して賠償金を支払う方針を示しています。

ことし10月以降、対象となる人に連絡をして裁判を起こすよう促していて、この手続きで裁判が起こされるのは全国で初めてです。

原告の弁護団は「国から知らせを受け取っても提訴せずにそのままでいるケースは多い。対象となる人は救済制度をぜひ利用してほしい」と話しています。
対象は2314人
厚生労働省によりますと、賠償の対象となる可能性がある人は合わせて2314人いますが、所在などが確認でき、裁判を起こすように促す通知を出せたのは、12日までに1575人にとどまっています。

厚生労働省は、残りの人たちについて所在の確認を進めるとともに心当たりのある人は地域の弁護士会などに相談してほしいと呼びかけています。