https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171221-00080262-engadgetj-sci

買ったときは最新だったiPhoneも、数年も使えばなんとなく動作が遅く感じられるようになるものです。その原因はソフトウェアが新しく(重く)なることも考えられるものの、場合によってはソフトウェア"意図的にそうしている"可能性もある模様です。

RadditユーザーやGeekBenchによる報告を経て、アップルは(バッテリーが劣化した)古いiPhoneを意図的に遅い状態で動作させていることを認めました。RedditユーザーTeckFireは、自身が所有するiPhone 6 Plusについてバッテリー交換を予定していましたが、その前後でCPUベンチマークをとってみることにしました。すると、バッテリー交換後のiPhone 6 Plusのほうが処理性能が大幅に向上することを発見しました。


TechFireの発見はReddit上で議論となり、それを見たGeekbenchのJohn Poole氏は「iPhoneの性能とバッテリー寿命について」と題した調査記事を掲載しました。そしてそこにはアップルの関与があることを示し、バッテリーの充電量が少ないときにiPhoneの性能を意図的に低下させるコードをiOSに仕込んでいるとPoole氏は指摘しています。

これらの議論と調査結果について、TechCrunchが米Appleに問い合わせたところAppleは昨年、iPhone 6 /6s(いずれもPlus含む)およびSEについて、意図しないシャットダウンに対する修正を加えたと返答しました。

意図しないシャットダウンとは、バッテリーが古くなって性能が低下していたり、低温であったり、充電残量が非常に少なくなっている(つまり必要な電圧や電流値を供給できない)状態になっている場合に発生する突然のシャットダウン現象のこと。これを回避するために、あえてCPU性能をさげていたということです。

アップルはiOS 11.2において、iPhone 7 7 Plusもこの対象に加え「将来的には他の製品(8やX?)も同様に追加していく」としています。

ただ、バッテリーが古くなったらCPU性能も下げるという対応は「"裏でゴニョゴニョ"してユーザーに新製品への買い替えを促している」と短絡的に受け取られる可能性も多分にあります。とはいえ、アップデートを提供する際に修正点として「古いバッテリーの場合に処理速度と低下させる修正を加えました」と記述すれば、ユーザーがインストールしない可能性も考えられます。

いろいろと混乱を招いた劣化バッテリーとCPU性能の関係ですが、アップルがユーザーのことを考えて加えた修正というところは冷静に理解すべきところと言えそうです。そして、バッテリーの持ち以外にiPhone 6に大きな不満がないユーザーの方々は、バッテリーを交換するだけで少し速くなったと感じられるかもしれません。

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