【SAT創設40年】
ベールに包まれた警察組織 強力な銃器装備、事件制圧
産經新聞:2017.12.25 12:11更新
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1995年6月、ハイジャックされた全日空機にはしごを掛け、機内に突入する捜査員ら=函館空港


 武装集団の人質事件などに対応する警視庁の特殊部隊「SAT」は12月、前身の部隊が昭和52年に誕生してから40年の節目を迎えた。
サブマシンガンやライフルなど強力な銃器を装備し、最大の目的は現場の制圧。ハイジャックや立てこもり事件などに出動してきたが、実態の多くはベールに包まれている。

 「突然勤務先の交番の電話が鳴って、『体を鍛えておけよ』とだけ言われた」。こう振り返る前身部隊の元隊員は当時20代。機動隊のレスキュー大会で、好成績だったことを買われた。
部隊の存在は警視庁内部でも秘匿事項。拠点とした機動隊でも、一般隊員との会話は禁止。入隊時には遺書をしたため「家族には命を落とす可能性があるとだけ伝えた」。

 過酷な訓練では「相手を完全に制圧するため、銃で頭や胸を狙うよう教えられた」と元隊員。大けがをしても「存在しない部隊」のため、公にはならない。

 平成12年の西鉄高速バス乗っ取り事件なども含め、出動したケースはいずれも単独犯。武装集団と銃撃戦を交わすような経験はない。東京五輪は、SATの真価が問われる場面でもある。

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