内閣府が17日発表した国民経済計算年次推計によると、日本の土地や住宅などの資産から負債を差し引いた国全体の正味資産(国富)は2016年末時点で3350.7兆円と、15年末に比べ1.6%増えた。2年ぶりの増加。2000年末(3387兆円)以来、16年ぶりの高水準だ。地価上昇で土地が15年から31.2兆円(2.7%)増えたことが押し上げた。

 国富がリーマン・ショック前の水準を回復するのは初めて。15年末と比べて、企業の設備投資や公共投資で固定資産が10.1兆円(0.6%)増えたほか、対外純資産も経常収支の黒字などを受けて9.9兆円(2.9%)増えた。

 国民総資産は2.9%増の1京496兆円、負債が3.5%増の7146兆円となり、ともに過去最大だった。金融緩和によって家計や企業から見た金融資産と、金融機関などからみた負債が両建てで膨らんでいる。

配信2018/1/17 20:00
日本経済新聞
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