去年、全国で起きた刑法犯罪は91万5000件余りと、15年連続で減少し、戦後最も少なくなりました。一方、SNSなどで少女が容疑者と知り合い連れ去られるといった犯罪は、この5年間で最も多くなりました。

警察庁によりますと、去年1年間に全国で起きた刑法犯罪は91万5111件で、おととしより8万1000件余り、率にして8.1%少なくなり、昭和21年に統計を取り始めて以降、最も少なくなりました。

具体的には、殺人や強盗、強制わいせつなどの重要犯罪が1万889件で、この5年間で最も少なくなり、空き巣などの窃盗犯罪は65万5541件で過去最少を更新しました。

一方、SNSなどで少女が容疑者と知り合い、連れ去られるといった略取誘拐は、この5年間で最も多い239件となりました。また振り込め詐欺などの知能犯罪も4万7000件余りと、2年連続で増加しました。

刑法犯罪は、平成14年のおよそ285万件をピークに15年連続で減少を続けていて、おととし初めて100万件を下回りました。この5年間で全体の70%以上を占める窃盗が33%減少したほか、強盗も44%減少しましたが、その一方で詐欺は11%増加しています。

容疑者を検挙した割合を示す検挙率は、去年は35.7%と、この5年間で最も高くなり、特に殺人や強盗、放火などの重要犯罪の検挙率は80.3%と、19年ぶりに80%を超えました。

警察庁は「防犯カメラの普及や防犯ボランティアの増加などが犯罪の減少や検挙率の向上につながったのではないか。後を絶たない振り込め詐欺などの取締りを強化していきたい」としています。

1月18日 10時42分
NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180118/k10011293081000.html