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1月20日 6時43分
アレルギー患者の家族でつくるNPO法人が、アレルギー治療の実態調査を行ったところ、学会が推奨する治療法を行う医療機関を受診するまで、10年以上かかる人もいることがわかり、団体は「どこでも安心して治療が受けられる体制の整備が必要だ」としています。

調査を行ったのはアレルギー患者の家族で作るNPO法人「アレルギーを考える母の会」です。調査は、全国の食物アレルギーやアトピー性皮膚炎などの子どもの家族を対象に行われ、およそ50人から回答を得ました。

その結果、それぞれの患者が医療機関を探して治療を開始してから、専門の学会が推奨する標準的な治療法を行う医療機関を受診するまでにかかった時間は「5年」と回答した人が8人と最も多く、次いで「6年」が7人で、中には「14年」と回答した人も2人いました。また、それまでに受診した医療機関の数は、5施設が9人と最も多く、次いで3施設が7人でした。

医療機関を変わった理由として、医師の指示があいまいで信頼できなかったとか、具体的な説明がないまま検査を受けさせられた、といった回答がありました。

アレルギーの治療をめぐっては、医療機関がアレルギー科を掲げていても、学会の認定する専門医がいないケースや、標準的な治療としながら、実際には異なる方法で行っているケースが少なくないことが課題になっています。

団体の園部まり子代表は「患者は当然、適切な治療が受けられると思っているが、そうではない実態がある。最新のガイドラインに基づく標準的な治療がどこでも受けられるよう整備してほしい」と話しています。