◆”潜在的危険”に該当する小惑星「2002 AJ129」が時速約10万キロで地球に接近中、2月3日に最接近予定

NASAによって「潜在的に危険」と分類されている「2002 AJ129」が、現在、時速約10.7万キロで地球へ向かっている。
その速度は、時速7300キロで飛行する人類が作り上げた最速の超音速機「X-15」の15倍もの速さだ。

イメージ写真:http://livedoor.blogimg.jp/karapaia_zaeega/imgs/4/f/4f74f291.jpg

また幅は約1.1キロで、高さ800メートルを誇る世界最高の超高層ビル「ブルジュ・ハリファ」を超えるというのだから侮れない。
予定では2018年2月3日(土)に地球に最接近するという。

■2018年2月4日に「潜在的危険」な位置まで最接近

2月4日に地球に最接近し、約420万キロの位置を通過すると予測されている。
宇宙スケールで見れば、かなり近い距離だ。

NASAでは、地球から約740万キロの範囲を通過する小惑星を「危険」と定義する。
今年に入って通過する小惑星の中では最大であり、仮に地球に衝突すれば小氷河期が到来すると推測されている。

2016年の研究によれば、1キロ級の小惑星が衝突した場合、地球の平均気温は8度低下する。
その影響は数年は続くものと見られ、世界は今よりずっと暗く、寒く、乾燥した環境になるだろう。
また最悪のケースでは、粉塵が地上に落ちきるまでに6年かかり、さらに煤煙が10年も大気に残留すると予測される。

■だが安心してほしい。地球に衝突する可能性はほぼない

幸いにもNASAは今回2002 AJ129が衝突するとは考えていない。
だが、もしそれが地球との衝突コースにあった場合、今の時点では軌道をそらすことができない。

それでも衝撃を緩和し、人々の命や建物を守る対策をとることは可能だ。
たとえば衝突地点から住人を避難させたり、重要な施設を移転したりといった方法が考えられる。

小惑星の軌道、大きさ、形状、質量、組成、回転速度などが分かれば、万が一、衝突した場合の被害を多少なりとも予測することが可能になる。
だが、ここで特に大切なことは、それを可能な限り早く特定することだ。

動画:https://youtu.be/4p_0fDAT_Yg

■小惑星の衝突を防ぐ宇宙船を鋭意開発中

現在、NASAは小惑星の衝突を防ぐ、冷蔵庫くらいの大きさの宇宙船を開発しており、2024年に特に危険のない小さな小惑星を対象とした実験を予定する。
この実験は、小惑星の軌道をそらし地球を守る防衛技術の有効性を検証する世界で初めての試みになる。

「二重小惑星進路変更実験(Double Asteroid Redirection Test/DART)」と呼ばれる実験では、宇宙船を小惑星に衝突させてその進路をずらす。
最初の軌道のズレは小さなものでしかないが、地球へ向かって飛来するうちに徐々に大きく変わっていくと見込まれる。

動画:https://youtu.be/h4lpu8HbpFY

▼記事を一部引用しました。全文はソースでご覧下さい

カラパイア 2018年01月21日
http://karapaia.com/archives/52252550.html