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1月22日 5時17分
経団連と連合のトップらが春闘に向けた方針を説明する「労使フォーラム」が22日から始まり、ことしの春闘が事実上スタートします。経団連は賃上げの水準として「3%」という異例の数値目標を掲げており、去年までの水準を上回る賃上げが実現するかが焦点となります。

22日から始まる「労使フォーラム」では、経団連の榊原会長と連合の神津会長が春闘に向けた基本的な方針を説明し、ことしの春闘が事実上スタートします。

経団連はデフレ脱却を目指す安倍総理大臣の要請に応じ、賃上げの水準として「3%」という数値目標を初めて打ち出しました。

経団連によりますと、過去4年間の大企業の月給ベースの賃上げ率は2%台にとどまっていて、好調な企業業績を踏まえ、去年までの水準を上回る賃上げが実現するかがことしの焦点となります。

一方、連合は従業員全体の基本給などを引き上げる「ベースアップ」に相当する分だけで2%程度を基準に賃上げを要求するとともに、非正規や中小企業で働く人の格差是正や長時間労働の是正に向けた環境整備など、「働き方」の見直しも重要課題として経営側と交渉する方針です。

春闘は組合側の要求に対して大手企業が相次いで回答を出す3月をヤマ場に交渉が進められます。

経団連が初の数値目標

経団連が賃上げの数値目標を掲げるのは、長い春闘の歴史の中でも初めてのことです。

春闘は過去4年間、政府が経済界に繰り返し賃上げを要請する「官製春闘」が続いてきました。今回、安倍総理大臣は、これまでの実績を上回る3%の賃上げを経済界に重ねて求めました。

大幅な賃上げによって「経済の好循環」を生みだし、ことしこそ「デフレ脱却」を確実なものにしたいという狙いがあります。

大企業に対しては、ここ数年、円安などを背景に収益が過去最高を更新し続けているのに、もうけを「内部留保」という形でため込んでいるという批判も出ています。

財務省の統計では、昨年度の企業の内部留保は過去最高の406兆円に達していて、もっと賃上げをして従業員に還元すべきだというのです。

こうした声が強まる中、経団連はデフレ脱却を実現するには政治と経済が足並みをそろえる必要があるとして、春闘の方針に初めて3%という数値目標を明記することになったのです。
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