https://www.cnn.co.jp/m/fringe/35113927.html

2018.01.30 Tue posted at 13:21 JST
(CNN) エジプトで恐竜時代の末期に生きていたとみられる新種の恐竜の化石が見つかった。英科学誌ネイチャーの関連誌「エコロジー・アンド・エボリューション」に29日付けで論文が掲載された。アフリカ大陸で恐竜の化石が発見されるのは珍しく、これまでなぞに包まれていた各大陸の恐竜の分布を調べる上で、新たな手掛かりになる可能性がある。

新種の恐竜は「マンスーラサウルス」と名付けられた。長い首の草食恐竜で、皮膚表面には骨板がまばらに張り付いていたとみられる。体長はちょうどスクールバスの車両と同程度。体重は5トン前後で、ゾウと同じくらいの重さだ。

過去250年以上にわたり、ほとんどの恐竜の化石は欧州、北米、アジアで見つかっている。アフリカに関しては化石の発掘や記録を行う機会が少なかったのが実情だ。

米カーネギー自然史博物館の恐竜学者、マット・ラマンナ氏は声明で「念願がかなった。恐竜時代末期のアフリカで保存状態のよい化石が見つかった。古生物学者はこの時を長年待ち望んでいた」と語った。

もともと「パンゲア」と呼ばれる1つの巨大な大陸だった諸大陸が現在の形状や位置へと分裂・移動する中で、陸上に住む生物の分布がどのような変遷をたどったかは、古生物学者にとっての大きな研究テーマだった。

今回の発掘調査を主導したエジプトのマンスーラ大学のチームは、マンスーラサウルスが欧州やアジアで見つかる恐竜と近い関係にあると分析。南米や、同じアフリカでも南部に生息したとされる恐竜とはそこまで近い種ではないとの見解を示した。

このことは、少なくとも一部の恐竜がアフリカと欧州の両大陸間を往来していた可能性を示唆する。

論文の執筆に携わったエリック・ゴースカック氏は声明で、「アフリカにいた最後の恐竜たちは完全に孤立していたわけではなかった。これは過去に提示されてきた説と相反する」「依然として欧州とのつながりは存在した」と述べた。

その上で今回の発見を契機に、これまでほとんど知られていなかったアフリカ大陸の恐竜に関する研究が進むことへの期待感を示した。

https://www.cnn.co.jp/storage/2018/01/30/4900b60802ce26cbda06029146405f1f/t/320/180/d/mansourasaurus-reconstruction.jpg
マンスーラサウルスのあごの化石
https://www.cnn.co.jp/storage/2018/01/30/23ce0f4f8f9fa750eb5a1a8c63d75502/t/320/180/d/mansourasaurus-jaw-bon.jpg