2月5日 15時05分

内戦が続くシリアの北部ではロシアの支援を受けたアサド政権の軍が反政府勢力側への攻勢を強めており、人権団体によりますと、住民5人が呼吸困難などの症状を訴え、アサド政権が有毒の塩素ガスを使用した疑いも出ています。
シリア北部イドリブ県では3日、アサド政権の軍を支援するロシアの攻撃機が墜落してパイロットが殺害され、反政府勢力と同じ地域でアサド政権側と戦闘を続ける国際テロ組織アルカイダ系の武装組織が撃墜したとする声明を出しました。

内戦の情報を集めているシリア人権監視団によりますと、アサド政権の軍とロシア軍は4日、イドリブ県で集中的に空爆を行って建物を破壊し、死者やけが人が出ているということで、ロシアの攻撃機の撃墜を受けて反政府勢力側への攻勢を強めているものと見られます。

こうした中、同じイドリブ県のサラケブではアサド政権側のヘリコプターによる攻撃が続いたあと、住民5人が呼吸困難などの症状を訴えたということで、アサド政権が有毒の塩素ガスを使用した疑いも出ています。

アサド政権は反政府勢力に対して先月も塩素ガスを使用したと指摘されていますが、3日、改めて使用を否定したうえで、「欧米は協力者から得たうその情報を口実にしてシリアを攻撃しようとしている」と反発しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180205/k10011315671000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_008