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水抜きが続いている小倉城(北九州市小倉北区)の堀で23日、少なくなった水の中にいる生き物の捕獲作業があった。池の水を抜いて外来種などを調べるテレビ番組さながらの光景に、多くの人が足を止めて見入った。いったい何が出てきたのか。

 水抜きは市が城の石垣の基礎を調べる準備。在来種の保護などを目的とした「かいぼり」ではない。

 20日から続いた作業で、堀の底は所々で顔をのぞかせた。残った浅瀬に委託業者ら10人ほどが入り、網で捕獲した。

 5〜6時間の作業で見つかったのは約4千匹。モツゴ約3300匹、スジエビ約70尾、ゴクラクハゼ約60匹、ヌマチチブ約40匹、ニシキゴイ約10匹など。ミシシッピアカミミガメとクサガメは1匹ずついた。

 テレビ番組でもよく見つかるブルーギルは約400匹いたが、ブラックバスや鋭い歯を持つ大型肉食魚アリゲーターガー、カミツキガメはいなかった。自転車1台とごみ箱1個が捨てられているのが見つかった。

 この日の小倉城周辺には、同市若松区に寄港した中国・上海のクルーズ船から観光客が大勢訪れ、不思議そうに堀をのぞき込んでいた。ガイドの女性(29)によると、観光客同士で「潮干狩りみたい。貝やカキを捕っているのか」「食べるために魚を捕っているのか」などと話題になっていたという。

 新聞記事で知って来たという行橋市の男性(76)は「ヘドロみたいなものがたまっていて、どうするのか気になる」と話した。市によると、泥は紫川の支流から引いた水と一緒に流れてきたもので有害ではない。処理するかは今後検討するという。

 残った水は26日も抜く。ブルーギルなどの特定外来生物は駆除するが、ミシシッピアカミミガメなどの外来生物やギンブナ、モツゴなどは別の堀にいけすを作って保護した。調査終了後に戻すという。(井石栄司)

2018年2月24日07時02分
朝日新聞デジタル
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