2/25(日) 23:17配信
 25日午後8時から始まった平昌冬季五輪の閉会式で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領、米国のトランプ大統領の長女・イバンカ大統領補佐官、そして北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長が一堂に会した。

 イバンカ氏は閉会式で、文大統領夫妻の左隣に座った。しかし金英哲氏は、開会式での北朝鮮高官団に比べると文大統領からやや離れた席に座った。金英哲氏は韓国の哨戒艦「天安」爆沈事件の主犯と見なされているため、席を離したのは世論を意識してのことだとみられる。

 文大統領はVIP(要人)席に入ると、後ろの列に座った金英哲氏と握手した。しかしイバンカ氏と金英哲氏は握手をしなかった。

 イバンカ氏は文大統領夫妻の左隣に座ったが、これはイバンカ氏がトランプ大統領の派遣した代表団の団長であるため首脳級のゲストとして礼遇し、文大統領に最も近い席を用意したものとみられる。9日の開会式では米国のペンス副大統領夫妻が同じ席に座った。イバンカ氏の隣には中国の劉副首相と丁世均(チョン・セギュン)韓国国会議長が並んだ。

 金英哲氏は後列の席で、文大統領夫妻とイバンカ氏とはやや離れて座った。文大統領の真後ろには金命洙(キム・ミョンス)大法院長(最高裁長官に相当)が座り、その左に通訳、ブルックス在韓米軍司令官、イ・ジンヨン憲法裁所長が続き、その隣に金英哲氏が座った。

 開会式では文大統領夫妻のすぐ後ろに北朝鮮の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党中央委員会第1副部長が座った。ペンス副大統領の右斜め後ろに北朝鮮の高官を配置したため、韓国・北朝鮮・米国の要人が一画面に映った。しかしこのときペンス氏は北朝鮮の代表団とはあいさつを交わさなかった。

 イバンカ氏率いる米国代表団は、閉会式を終えると翌26日午前には帰国の途につくため、米朝対話が実現するとすれば25日の夜か26日早朝しかない。

 金英哲氏は韓国滞在中に韓国大統領府(青瓦台)を訪問しないことが分かった。与党関係者は「金英哲氏は文大統領と1時間ほど非公開で会談したため、これが青瓦台での会談を代替したと考えてよい」と話した。「天安」爆沈事件の主犯である金英哲氏を青瓦台に招き入れれば世論の批判が起きることを懸念したとみられる。「天安」爆沈事件の遺族たちは24日、金英哲氏の訪韓を中止するよう政府に要求し、青瓦台に抗議文書を送った。文大統領は金与正氏とは10日に青瓦台で会っていた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180225-00001619-chosun-kr