福井市内の気象災害に関する情報を自由に投稿、閲覧して被害軽減に役立てるインターネットサイト「ふくい減災プロジェクト」の周知が進んでいない。今冬の記録的な大雪でも、詳しい被害状況や交通渋滞を伝える投稿はなく、効果的に活用されなかった。福井市は「多くの市民に利用してもらえるよう周知に努める」としている。

 サイトは、福井市と気象情報提供の契約を結ぶウェザーニューズ(本社千葉市)が2014年に開設した。利用は無料。

 気象が原因で発生した冠水や建物損壊、ライフライン停止などの情報を市民自ら「減災リポート」としてスマートフォンなどで投稿し、他の市民と共有することで自助、共助を促す仕組み。投稿があると、サイト内の地図の該当地点に印が付き、写真やコメントを閲覧できるようになる。避難所や医療機関など市が提供する情報も表示できる。

 同社によると、大雪で市災害対策本部が開設されていた6〜23日の投稿数は計数百件あったが、市によると内容は積雪状況が主で、詳しい被害や交通渋滞を伝えるものはなかった。

 26日の市議会一般質問で、菅生敬一議員(公明)の質問に野阪常夫市民生活部長が「未除雪で進入できない道路の把握などに役立つシステムだが、投稿者がいなければ利用できないという課題がある」と答弁。8月に気象情報の提供システムが更新されることに合わせ、周知拡大を図るとともに課題を整理していくとした。

 ウェザーニューズのスマホ用アプリからも投稿、閲覧できる。

ソース
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/299437