【モスクワ杉尾直哉】ロシアのプーチン大統領は1日、内政や外交政策について説明する年次教書演説を行い、核搭載型の無人潜水艦などの核兵器を開発していることを明らかにした。今回の教書演説は18日の大統領選を前にした今期最後の演説となり、改めて国民の愛国心に訴える狙いがあったとみられる。

 プーチン氏は、1000人以上の各界代表者が集まる会場で約2時間にわたり演説し、後半には巨大なスクリーンに実写やコンピューターグラフィックスのビデオ映像を映して新兵器を紹介した。無人潜水艦は、高速で深海を進み、米艦隊や米海岸沿いの大都市をほうふつとさせる標的を次々に破壊。会場から拍手が湧き起こった。

 プーチン氏は「国際法違反の制裁措置などで、軍事部門を含むロシアの発展を封じようとしてきた者たちに言いたい。封じ込め策は失敗した」と述べた。

 ロシアの無人潜水艦の開発については、米メディアが2016年12月に「米国の戦略的な脅威になる」と最初に報じたが、ロシアは計画の存在を認めていなかった。自ら率先して機密を明らかにした理由について、プーチン氏は「パートナーを交渉の席に着かせるためだ」と説明した。

 プーチン氏は新たな核兵器開発は、米国主導で欧州や日本などに配備されようとしている「グローバルなミサイル防衛(MD)システムへの報復策」だと力説。演説の最後は「共に勝利しよう」と締めくくった。
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