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3月6日 5時45分
IAEA=国際原子力機関の天野之弥事務局長は、イラン核合意について、「もし合意が破綻すれば大きな損失だ」と述べ、核合意からの離脱を辞さない構えを見せるアメリカを念頭に合意の尊重を呼びかけました。

オーストリアのウィーンにあるIAEAの本部で5日、理事会が始まり、冒頭で演説した天野事務局長はイラン核合意について、「イランは合意に基づく義務を履行している」と述べて、IAEAによる過去2年間の査察にイランは協力してきたと強調しました。

そのうえで「もし合意が破綻すれば大きな損失だ」と述べ、核合意は失敗だと非難し合意からの離脱を辞さない構えを見せるアメリカのトランプ大統領を念頭に合意の尊重を呼びかけました。

一方、天野事務局長はイランに対しても、「今後もすべての義務を履行すべきだ」と述べたうえで、イランが発表した艦船用の原子炉の製造について説明を求めていることを明らかにしました。

また、天野事務局長は5日午後、記者会見を開き、北朝鮮の核開発について、「IAEAはピョンチャンオリンピックのあいだも人工衛星で監視していたが、変化はなかった」と述べ、オリンピックの期間中も核開発は続いていたという見方を示しました。