アメリカのトランプ大統領は、中国による過剰生産によって、鉄鋼やアルミニウムが安く輸入されていることが安全保障上の脅威になっているとして、鉄鋼製品などに高い関税を課す異例の輸入制限措置を発動する文書に署名しました。
現時点では、カナダとメキシコの2か国を措置の対象から外すとしていますが、友好関係にある国については、柔軟な姿勢も示していて、日本を含めた同盟国への今後の対応が注目されます。

トランプ大統領は、戦闘機や軍艦の製造にも使われる鉄鋼やアルミニウムが各国から不当に安く輸入され、安全保障上の脅威になっているとして、大統領権限で行う異例の輸入制限措置を発動する文書に署名しました。

トランプ大統領は、8日、ホワイトハウスで、「鉄鋼やアルミニウム産業を保護しなければならない。長く続いた問題に対処するため行動をとる」と述べ、輸入制限措置を発動する文書に署名しました。

トランプ政権は、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の高い関税を課すとしていて、15日後に発動するとしています。

ただ与党・共和党や産業界などから慎重な対応を求める声が相次いでいることから、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉を行っている、メキシコとカナダは、対象から外すとしています。

トランプ大統領は、8日の閣議で、「国ごとに関税を上げたり下げたりするほか、対象から外したり、加えたりすることがある」と述べ、友好関係にある国については、柔軟な姿勢も示していて、日本を含めた同盟国への今後の対応が注目されます。

3月9日 6時08分
NHK NEWS WEB
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