外国人技能実習制度で来日したベトナム人男性(24)が14日、国会内で記者会見し、2015〜16年に福島県内で東京電力福島第一原発事故に伴う除染作業に従事していたことを明らかにした。

 除染は実習制度の対象職種でなく、法務省は、雇い主側から事情を聞くなどして男性の実習内容について調査している。

 男性や支援者によると、男性は15年9月、ほかのベトナム人男性2人とともに来日。3人は実習先の盛岡市の建設会社で建設機械の取り扱いを学ぶことになっていたが、翌10月から約5か月間、福島県郡山市で除染作業に従事していた。市街地で側溝の泥をかき出したり、土を入れ替えたりしていたという。

 16年9月から約3か月間は、避難指示解除前の同県川俣町で住宅の解体作業に従事していた。男性は17年5月頃、インターネットで郡山市の実習が除染作業だったと知ったことや待遇面に不満があったことから、建設会社の寮から逃亡。男性は「事前に危険な作業をすると知っていたら来日しなかった。将来の健康が心配だ」と訴えている。

 一方、実習先の建設会社の男性社長も取材に応じ、3人に除染作業をさせていたことを認めた。社長は、福島県での除染や解体を請け負うため、14年に建設会社を設立。働き手が集まらず、実習生に頼ったという。3人は同社にとって初めての実習生だった。実習生ごとに作成が義務づけられる実習計画には、除染については記載しなかったという。

 社長は「面接で通訳から説明していたので本人は納得していると思っていた。除染も建設機械を使った作業に変わりなく、わざわざ実習計画には盛り込まなかった」と話した。残りの2人は現在も同社で働いているという。

(ここまで703文字 / 残り397文字)

2018年03月14日 20時00分
YOMIURI ONLINE 全文は会員登録をしてお読みいただけます
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180314-OYT1T50103.html