毎日新聞 2018年3月15日 15時07分
https://mainichi.jp/articles/20180315/reu/00m/030/008000c

[ヨハネスブルク 14日 ロイター] - 冷血動物で冷たいイメージを持たれているヘビについて、
子どもが卵から孵化した後、母親が短期間共に過ごしたり、巣穴を守ったりしているケースがあるとの研究が、
ロンドンのジャーナル・オブ・ズーオロジーに発表された。

 研究は、ナタールニシキヘビの営巣行動を調査したもので、産卵型のヘビの母親の子育てに関する
初の報告となった。ヘビに無線送信機を装着して巣穴まで追跡し、巣穴に赤外線カメラを設置して観察を行った。

 南アフリカのウィットウォーターズランド大学、グラハム・アレクザンダー氏が7年にわたって行った
フィールドワークの結果、母親は交尾から産卵までの7カ月間、食事なしで過ごし、体重の40%を失う場合が
あることが分かった。体内で体温を維持するため常にエネルギー補給が必要な哺乳類と異なり、
蛇を含め変温動物である爬虫類は、長期間食事を取らずに生きることができる。

 また、子どもは通常数十匹単位で生まれ、母親は孵化後2週間程度子どもたちと過ごすが、
給餌や指導などは行わない。ただ、夜間に子どもたちをとぐろの中に囲うことが分かり、子どもを温める
作用があるとともに、生存率向上にもつながっているとみられる。