宮城県東松島市は22日、今春の人事異動の内容が職員への内示前に漏れ、市が漏れた人事異動案を取り消し、組み直したと明らかにした。異動先が変わったり、新たに異動になったりと影響を受けた人は約50人に上る。サーバーのパスワードを突き止めた男性職員(19)が不正にアクセスし、異動情報を閲覧していたという。

 市による業務用パソコンのアクセス履歴の定期検査で、2月15日に、建設部の男性職員が業務と無関係のサーバーに不正にアクセスしていたことが判明。3月23日に内示予定だった4月1日付異動のデータを閲覧し、自身の業務用パソコンに保存していた。

 市によると、男性職員は昨年9月からアクセスを始め、過去の異動時にも、閲覧したデータをもとに異動予定者に異動先を示唆することがあった。市は今回の人事案も事前に漏れていた可能性が否定できないとして、発表前だった班長以下の一般職員の人事を組み替えたという。

 男性職員は、サーバーを管理する担当者のパスワードを類推して突き止め、人事担当班しか接続できない異動情報を入手していたという。「秘密のデータに興味があった」と話しているといい、市は男性職員を22日付で戒告処分にした。上司の課長と建設部長も監督責任があるとして、口頭注意処分とした。(岡本進)

2018年3月22日20時36分
朝日新聞デジタル
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