4月1日のキリスト教の祭日「イースター」に合わせ、シンボルである卵と、青果物をセットで売り込む動きが出てきた。スーパーや調味料メーカーが旗振り役となり、鶏卵やマヨネーズをふんだんに使った料理のレシピ提案や、総菜の販売を強化。「卵を食べる日」として認知度が高まってきたことを追い風に、新たな物日としての定着を目指している。

 大手調味料メーカーのキユーピーは3月から、イースターにちなんだキャンペーン「たまごと野菜を食べよう」を、全国のスーパーやインターネット上で展開。炒めた卵をレタスに載せる「ふわふわ卵とシャキシャキレタスのソテー」や「スナップエンドウのカルボナーラ」など22メニューのレシピを提案する。

 取り組みは8年目。同社調べではイースターの認知度が9割近くまで高まり、「卵を食べる日との認識が定着しつつある」と手応えをみせる。

 小売り業界も野菜の物日として、イースターを位置付ける。首都圏のスーパーチェーンのマルエツは、家庭で卵と野菜を使った料理を楽しむ「イースターパーティー」を提案。商戦ピークの4月1日に向け、野菜売り場でサラダなどのレシピをまとめた冊子を配布する他、総菜ではスコッチエッグといった卵料理の売り込みを強化する方針だ。広報担当者は「春のイベントとして知名度が高まっている」とみる。

 鶏卵の需要掘り起こしの動きも活発だ。JA全農たまごは、卵を購入したレシートを、抽選で国産牛や米と引き換えるキャンペーンを展開。「卵料理の食卓への定着につなげたい」と意気込む。

 菓子の売り込みも本格化してきた。百貨店の伊勢丹新宿店では、ひよこの砂糖菓子を載せたケーキをはじめ、イースターにちなんだ限定メニューがずらりと並ぶ。ここ2、3年で関連商品の販売も増えているという。

<メモ>

 イースターは、十字架にかけられたキリストが復活したことを記念した行事。「復活祭」とも呼ばれる。今年は4月1日。生命の誕生と子孫繁栄を記念し、欧米では卵とウサギにちなんだ料理を楽しむ。

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