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2018年3月28日 5:31 発信地:ワシントンD.C./米国
【3月28日 AFP】ジョン・ポール・スティーブンス(John Paul Stevens)元米連邦最高裁判事(97)は27日、国民に武器保有の権利を認める合衆国憲法の条項である「修正第2条(Second Amendment)」の廃止を呼び掛けた。

 合衆国憲法の番人である連邦最高裁判事を2010年に退任したスティーブンス氏は、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に寄稿した意見記事で、3日前に行われた米史上最大の銃規制要求デモ「私たちの命のための行進(March for Our Lives)」に言及。

「先週土曜日にワシントンなど全米の大都市で生徒・児童らとその支持者が示したような市民参加は、私の生涯でまれに見るものだ」と述べた上で、デモ参加者は一部銃器の販売禁止や銃購入可能年齢の引き上げではなく、憲法修正第2条の廃止を要求するべきだと主張した。

 米国の憲法修正第2条には、「規律ある民兵は自由な国家の安全保障にとって必要であるから、国民が武器を保有し携帯する権利は侵してはならない」と記されている。スティーブンス氏は、同条追加の背景には、政府の常設軍が各州の脅威となるとの懸念があったと指摘し、「現在ではこの懸念は18世紀の遺物だ」と指摘した。

 米最高裁は2008年の判決で、拳銃の禁止やライフル銃・散弾銃の保管方法の条件を定めた首都ワシントンの銃規制を違憲とし、憲法修正第2条の下では個人による自宅での護身用銃保有の権利が認められているとの判断を下した。

 スティーブンス氏は10年後の現在も、この判決が「誤りであり、議論の余地が間違いなくあった」との見解に変わりはないと表明。また、この判決により、銃ロビー団体の全米ライフル協会(NRA)が「強力なプロパガンダの武器」を得たと指摘した。(c)AFP