19年春卒の採用16%増、金融除き前年超え 民間調べ
2018/4/12 16:59
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29308750S8A410C1XXA000/

 就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)は12日、2019年春卒業予定の大学生・大学院生の採用に関する企業調査を発表した。採用計画人数は18年春の採用実績に比べて16.8%増えた。業種別でもほぼ横ばいの金融以外は前年を上回っており、特にサービス・インフラは30.7%増と大きく伸びた。企業の採用意欲は引き続き高く、学生に優位な「売り手市場」が続きそうだ。
 調査は2月6日〜3月4日に実施し、全国の2136社から回答を得た。
 採用計画人数の増加率を業種別にみると、サービス・インフラ以外でも製造(20.8%)や小売り(20.0%)、建設(19.7%)の伸びが目立った。
 金融は0.2%減だった。業務のデジタル化などを背景に、メガバンクなどが採用抑制方針を打ち出していることが影響しているようだ。
 採用活動ではエントリーシートの結果通知を3月に始める企業が47.9%と、前年より8.1ポイント増えた。適性検査や筆記試験を3月に始める企業も前年比7.3ポイント増の40.8%に達した。インターンシップ(就業体験)に参加する学生が増えたことで企業理解が進んでいることもあり、全体的に採用活動が前倒しされている。
 人手不足が慢性化するなかで企業の積極採用の姿勢は変わらない。ただ、採用基準について「厳しくする」と答えた企業は9.4%と増加傾向にある。マイナビHRリサーチ部の小林裕貴課長は「入社後の離職を防ぐため、より自社に合った人を採用したいという企業が増えている」と見ている。