道内人口3万2000人減、外国人は3000人増 17年10月
2018/4/14 1:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29374520T10C18A4L41000/

 北海道内の人口減に歯止めがかからない。総務省が13日発表した人口推計(2017年10月1日時点)によると、道内人口は前年に比べ3万2000人(0.6%)減の532万人だった。人口減は20年連続。65歳以上の割合は初めて3割を超えた。一方、外国人は前年より3000人増加。地域経済を活性化するため、外国人の移住促進や高齢者の健康維持などの対策も広がりつつある。

 道内では死亡者数が出生者数を上回る自然減と、転出者が転入者を上回る社会減が同時進行しており、1997年のピーク時に比べ38万人減った。道内第2位の都市である旭川市を超える規模の人口が20年で失われた。
 将来の地域経済を担う年少人口(15歳未満)の割合は総人口の11%、現在の働き手である生産年齢人口(15〜64歳)は58%で、ともに減少傾向が続く。これに対し、老年人口(65歳以上)は31%と過去最大で、初めて3割を突破した。
 道内人口に占める自然減の割合を示す自然減少率は0.06ポイント増の0.53%だった。一方、社会減少率は0.02ポイント減の0.06%で、外国人の流入が社会減にブレーキをかけた。外国人人口は3000人増の2万8000人。97年(1万1000人)の2.5倍に膨らんでおり、特に足元で増加ペースが加速している。
 スノーリゾートや自然体験観光が目当ての訪日外国人客が増えており、受け入れ態勢の整備を急ぐ観光業者などが外国人を積極的に雇用していることが背景にある。ニセコ町などの自治体もインターナショナルスクールを誘致するなど、外国人の生活支援に乗り出している。
 人口減や高齢化の進展に伴う地域の活力低下を食い止めようとする取り組みも官民で広がってきた。札幌市は高齢化が進む厚別区内の市営住宅への大学生の入居を特例的に推進。道の出先機関である留萌振興局などは18年度、農林水産業や製造業、建設業など業種を超えた労働力融通の仕組みづくりに着手する。
 産業ガスの北海道エア・ウォーターは13日、札幌市内の営業所を改装した地域交流拠点を開業。北海道情報大学と連携し、血圧や体組成などのデータを個人ごとに蓄積できる機能も備え、高齢者の健康管理に一役買う考えだ。