安倍晋三首相(自民党総裁)は14日、大阪市で党大阪府連の臨時党員大会に出席し、大阪市を廃止して4つの自治体(特別区)に再編する「大阪都構想」について「自民党大阪府連が決めたことは党の考え方であり、総裁たる安倍晋三の考え方でもある」と述べ、反対する府連の方針を支持する考えを示した。府連幹部によると、首相が都構想への反対姿勢を公の場で示したのは初めて。

 都構想は、日本維新の会の看板政策。松井一郎代表(大阪府知事)は都構想の賛否を問う住民投票の9〜10月実施を目指し、自民党大阪府連は反対している。

 府連幹部によると、首相は、大阪の課題である都構想への意見表明は「地方自治を侵すことになる」との考えから控えてきた。この日も直接「反対」とは口にせず、間接的な発言にとどめることによって2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致や来年の20カ国・地域(G20)首脳会合の成功に向け、首相と知事として協力する松井氏への配慮はみせた。

 臨時党員大会への首相の出席は、首相が松井氏や維新前代表の橋下徹氏と会食する度に「首相は都構想に賛成なのか」などと支持者から指摘を受ける府連所属の国会議員が来阪を求めたのがきっかけ。

 首相が応じた背景には、9月の党総裁選をにらんだ党員票の取り込みに向けて、「ポスト安倍」と目される石破茂元幹事長が2月に大阪で千人規模の集会を開いたことへの危機感もあるようだ。

 大会あいさつで、首相は13日の府連幹部との会食で「(支持者から)府連と党は都構想、住民投票への考え方が違うと言われて大変迷惑している」と言われたとして、「私もしっかりと受け止めなければならない」と語った。

 維新が目指す住民投票は2度目。1度目は平成27年春に僅差で否決されたが、同年秋の知事・大阪市長のダブル選で「修正版の都構想への再挑戦」を掲げ、ともに圧勝した経緯がある。

 府連の左藤章会長(衆院議員)は大会で「住民投票は『何度もやるもんじゃない』と(首相に)言っていただいた」と強調。大会は「首相を筆頭に都構想を阻止しよう」という掛け声で締めくくられ、首相も笑顔で拳を突き上げて応えた。

 終了後、首相は「多くの人と話ができ、大阪へ来て良かった」と府連関係者に伝えたという。

https://www.sankei.com/smp/west/news/180414/wst1804140074-s1.html
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