東京都新宿区などの区立小中学校で昨年9月、給食で提供された牛乳に異臭がするという訴えが相次いだ問題で、区は4月から、給食の牛乳を瓶入りから紙パック入りに変更し、納入業者も変わった。区教育委員会は、これまで納入していた明治に異臭の原因などを照会してきたが、同社は「子どもは味を敏感に感じやすい」などと説明。同社製品の継続は子どもや保護者の理解を得られにくいと判断した。

 同区や板橋区の区立小中学校では昨年9月、牛乳を飲んだ児童や生徒から「ガソリンのよう」などと味や臭いの異常を訴える声が相次いだ。新宿区では児童生徒と教職員計約1300人、板橋区は約630人が異変を感じた。下痢や気分の悪さを訴えた人もいた。両区を含め同社が納入していた177校中42校で同様の訴えがあった。保健所などが原因を調べたが、異物混入や衛生面の異常は確認できなかった。

 新宿区はこれまでに数回、明治に原因などを照会した。区によると、同社は製造設備や衛生面の問題はなく、特定地域の生乳を使ったのが原因と回答。生乳は気温や餌などで風味が変化するとして「敏感な生徒が通常と異なる風味に感じた」との見解を示した。

 だが、多数の児童・生徒らが異常を訴えており、区教委は「児童・生徒の過剰反応と思わせる内容」と反発。区議会でも「誠意がなさ過ぎる」との声が出された。

 納入業者は入札で決まるため、区側は業者を指定できないが、区教委が紙パック入りを選択することにより、紙パック入りを提供していない明治は、結果として入札対象の業者から外れる。担当者は「瓶入りの牛乳は重い。遠からず紙パックに切り替える方針だった」とした上で「異臭問題で時期が早まった」との見解を示した。

https://mainichi.jp/articles/20180415/k00/00e/040/171000c