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4月19日 23時59分
おととし、オーストラリアの沖合にある世界最大のさんご礁帯、グレートバリアリーフで、大量のさんごが死滅したことについて、地元の研究機関は、人工衛星から得られた海水温のデータを分析した結果、海水温の極端な上昇が原因だったと結論づけました。

オーストラリア北東部の沖合に長さおよそ2300キロにわたって連なるグレートバリアリーフは、世界最大のさんご礁帯として知られ、世界自然遺産にも登録されています。

しかし、おととし、北部のおよそ7割のさんごが死滅する壊滅的な被害を受け、地元の研究機関が原因などを調査しています。

19日発表された調査結果によりますと、人工衛星から得られた海水温のデータと死滅したさんごの分布を照らし合わせて分析した結果、海水温の極端な上昇によって、さんごが死滅したと結論づけました。

グレートバリアリーフではおととしエルニーニョ現象の影響もあって、長期間にわたって海水温が高く、3月から11月にかけての9か月間で全体のおよそ3割のさんごが死滅したということです。

グレートバリアリーフでは、1980年代以降、さんごが白く変色する白化現象も起きていますが、この現象も海水温の上昇が原因だと見られています。

調査に携わった研究者は「温室効果ガスの排出削減にいますぐ取り組めば、絶望的な状況は回避できる」として、早急に地球温暖化対策を進める必要性を訴えています。