規制緩和で観光地などの自治体が導入を検討する自動車の「ご当地ナンバー」。知名度アップや地域振興につながるとの期待がある一方、断念した自治体も少なくない。どんな事情があるのか。

 放送中のNHKの連続テレビ小説「半分、青い。」は岐阜県東部が舞台。「東濃」と呼ばれ、古くから中山道の宿場町が栄えた歴史ある地域だ。ドラマは架空の街「東美濃(ひがしみの)市」で物語が進む。

 「『東美濃』の魅力が毎日発信されます。チャンス到来」と、期待するのはこの地域で最も人口が多い岐阜県多治見市の古川雅典市長だ。同市や中津川市など7市町と商工会議所で協議会をつくり、「東美濃」ナンバーの導入を目指している。

 「東美濃」ナンバーをめぐってはこれまで紆余(うよ)曲折があった。

 国交省の出先機関の管轄ごとだった自動車のナンバーは、2006年に規制緩和された。これまでに29種が追加され、さらに要件を緩やかにして、今年3月の締め切りで第3次募集が実施された。

 岐阜県東部では、中津川市に2027年開業予定のリニア新駅が設置されることもあり、観光・地域振興を図ろうと、沿線自治体からご当地ナンバー構想が浮上した。「信長、秀吉の時代から『美濃を制する者は天下を制す』と言われる。『美濃』ブランドは全国に通じる」との声があがり、「東濃」ではなく、あえて「東美濃」ナンバーとすることにした。

 ご当地ナンバーの認可には住民…

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