https://jp.reuters.com/article/understanding-kim-idJPKBN1HY0WV

2018年4月27日 / 10:29 / 11時間前更新
[ワシントン 26日 ロイター] - 冷戦以降で最も重要な首脳会談の1つとなる米朝首脳会談でトランプ米大統領が優位に立てるよう、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長のプロファイル構築に米政府の情報専門家は取り組んでいる。

だが、ほとんど素顔が知られていない閉鎖的な北朝鮮の指導者が、どのような人物かを解明する作業は難航している。

外国指導者に関する政治的・心理的な研究を、重大な交渉を控えた米大統領に提供するという昔からの伝統に従い、政府専門家は金委員長に対する新たな情報を可能な限りかき集め、これまで得た評価の軌道修正を行っている。米当局者がロイターに明らかにした。

数週間前にトランプ政権で初めて金委員長と会談したポンペオ中央情報局(CIA)長官が同氏に抱いた印象も、手がかりとして参考にされる。平壌を非公式訪問した次期国務長官ポンペオ氏は帰国後、北朝鮮の若き指導者について、首脳会談に向けて「準備している抜け目ない人物」との個人的な評を下したと、ある米当局者は語った。

このほか、米プロバスケットボール協会(NBA)の元スター選手、デニス・ロッドマン氏や、スイス寄宿学校時代の元クラスメート、韓国の外交官など、過去に金氏と交流した経験がある人物たちの証言によって集めた情報も検討されると、別の米当局者たちは語る。

こうして集めた情報によって、金委員長の行動や動機、人格や指導スタイルについての政府機密ファイルが更新され、史上初となる米朝首脳会談に向けてトランプ大統領や側近が交渉戦略を立てる一助となる。

「(米朝)首脳会談に向けて、政府一丸となって準備を進めている」とホワイトハウスの当局者は述べたが、詳細は明らかにしなかった。首脳会談の開催時期は5月下旬または6月初旬で調整されている。

とはいえ、金委員長に関する直接的な情報は依然として限られており、「ブラックボックス」状態だと、事情に詳しいある米当局者は話す。北朝鮮には米情報員や情報提供者がほとんどおらず、インターネットが普及していない同国ではサイバースパイ活動も困難だからだ。

正恩氏が権力の座に就いたとき、長くは続かないだろうとCIAは予測していた。だがそれから7年後、そうした予想は撤回され、今では、非情なやり手の指導者だと見られている。最近では、核開発を遂行する強硬姿勢から外交的アプローチへと転換した金氏の機敏さに、米専門家の多くが驚かされた。
(リンク先に続きあり)