http://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20180507/0000952.html

全日本仏教会の副会長などを歴任した松山市の寺の住職が、宗教施設の工事が受注できるとうそをつき建設会社から3億円をだまし取ったなどとして詐欺などの罪に問われた裁判で、大阪地方裁判所は、「社会的信頼を悪用した責任は重大だ」として懲役6年を言い渡しました。


松山市にある「安城寺」の住職、片井徳久被告(57)は、平成24年以降、石川県内の建築会社に「保証金を払えば宗教施設の工事を受注できる」とうそをつき3億円をだまし取ったほか、大阪市内の不動産会社から1億5千万円を借りたのに回収を妨害したとして詐欺や背任などの罪で大阪地検特捜部に逮捕・起訴されました。

安城寺は禅宗の1つ「黄檗宗」の寺で片井住職は全日本仏教会の副会長などを歴任していました。
検察は「黄檗宗大本山の信用を利用した計画的で巧妙な犯行だ」として懲役7年6か月を求刑し、片井住職側は、「知人で松山市の会社役員の男がやった」などと無罪を主張していました。

7日の判決で大阪地方裁判所の香川徹也裁判長は、「住職への社会的信頼を悪用したのは悪質だ。実行行為のほとんどは共犯の男がしているが、会社から住職への信用が事件の基礎にあり、不可欠な役割を果たしていて刑事責任は重大だ」として懲役6年を言い渡しました。