http://www3.nhk.or.jp/lnews/saga/20180510/5080000489.html

05月10日 19時18分
おととし、多久市で当時4歳の息子に暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた母親に対し、佐賀地方裁判所は「けがをさせようなどという悪意を持った行為ではない」として、執行猶予がついた判決を言い渡しました。

福岡県筑前町の藤村早紀被告(32)は、おととし8月、多久市の住宅で、当時4歳だった息子の宮原陸碧くんの頭部を打ちつけるなどの暴行を加え、急性硬膜下血腫でおよそ3か月後に死亡させたとして、傷害致死の罪に問われています。

裁判で、検察は、強い力で息子の胸を押し、転倒させるという一方的で危険な行為だとして懲役5年を求刑する一方、弁護側は、予期せず転倒したもので事故に近いなどとして、執行猶予のついた判決を求めていました。

10日に佐賀地方裁判所で開かれた裁判員裁判で、吉井広幸裁判長は、「寄ってきた息子を引き離そうとして手に力が入ってしまったものであり、けがをさせようなどという悪意を持った行為ではない」と指摘しました。

そのうえで、「当時、近くに頼りになる知人が少なく、夫も長く自宅を空けるなど、被告人の心理的負担が大きい状況で、犯行の動機や経緯に同情できる点がある」として、執行猶予5年のついた懲役3年の判決を言い渡しました。