https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180512-00000017-mai-soci

奈良県のマスコットキャラクター「せんとくん」がライセンス料で稼ぐ年収が、
全盛期の3%にまで激減している。誕生から10年を迎えて人気が低迷しているのが
背景とみられ、商標権を管理する県は新たなデザインを投入し、てこ入れに躍起になっている。

「せんとくん」は2008年に誕生し、10年の平城遷都1300年祭の公式キャラクターを務めた。
鹿の角が生えた童子という奇抜なデザインに「かわいくない」との批判が出て、逆に全国的な人気に火が付いた。

県は売り上げや製作費用の3%をライセンス料として納めることなどを条件に、商品や広告に利用することを認めており、
遷都祭があった10年度には約4900万円の収入があった。イラストを使った商品は、クッキーやチョコレートを
はじめとする土産品や、キーホルダーやストラップなどのグッズが多い。

ところが祭りが終わって一段落した11年度は、699万円に激減。同年に県のキャラクターになったのを機に
、県は12年度に、「官服」「桜」「紅葉」の3デザインを追加しててこ入れを図ったが、各地に次々と特徴的な
ゆるキャラが誕生する中で存在感の低下は否めず、16年度は154万円にまで落ち込んだ。
県は先月、さらに「はかま姿」を投入し、起死回生を狙う。

一方で「せんとくん」には潜在的な根強い人気がある。日本リサーチセンターの全国キャラクター調査
(17年10月)では、「せんとくん」の認知率は64%で、ご当地キャラクターとして「くまモン」や「ふなっしー」に次ぐ
第3位の全国的な知名度を誇る。関西大学の宮本勝浩名誉教授は今年2月、「せんとくん」の誕生から10年で、
奈良県内への観光客が増加するなどして表れた経済効果が2104億円、新規雇用が3万3150人との試算を公表している。今後、ライセンス収入を伸ばす余地はまだありそうだ。

県はこれまで、「せんとくん」のライセンス収入を主に着ぐるみなどの「出張経費」に充ててきた。
県の担当者は「せんとくんイコール奈良という認知度は上がっている。収入が増えれば出演も増える相乗効果がある」
と期待を寄せる。


せんとくんとパンジーを植え付ける子供たち
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