http://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20180517/5000002262.html

05月17日 15時33分
石垣の一部が崩れているのが見つかった熊本県山都町にある国の重要文化財の石橋、「通潤橋」で、17日、橋の下を流れる川に落ちた石材を引き上げる作業が行われました。

山都町長原で激しい雨が降った今月7日、「通潤橋」で石垣の一部が崩落しているのが見つかりました。

山都町によりますと、崩落したのは右岸側の石垣の上部にあった合わせて94個の石材で、長さおよそ10メートル、高さおよそ4メートルにわたって崩れたということです。

町は17日午前9時から橋の下を流れる川に落ちた石材を引き上げる作業を行い、業者がワイヤーを使った特殊な装置で、重さ200キロから300キロほどの石材を川岸へと引き上げました。

通潤橋は、江戸時代、農業用水を送るために造られた石橋で、国の重要文化財に指定されていますが、おととしの熊本地震で被害を受け去年4月から復旧工事が行われていました。

町によりますと、年内に予定されていた復旧工事終了が遅れる可能性があるということで、町は、今後、国や県などと協議しながら復旧方法などについて検討したいとしています。

「通潤橋」の修復を担当する、山都町教育委員会生涯学習課の西慶喜主査は「雨の影響で崩落したと考えられるが、全く想定していなかったので驚いている。元どおりに修復することが原則なので、関係機関と連携しながら、今回引き上げた石材などを使い、できるかぎり早く修復を進めていきたい」と話していました。