原子力規制委員会は23日、全国の原発などで空調換気系ダクトに腐食による穴などがないか調査した結果、一部に腐食や穴が見つかったのは7原発12基だったと明らかにした。

このうち東京電力柏崎刈羽3号機(新潟県)は腐食が大きく、中央制御室の換気機能に異常がある可能性がある。再稼働審査に合格した同7号機でも異常がないか確認する。他の10基には異常はないという。

中国電力島根原発2号機(松江市)の中央制御室のダクトで2016年12月に腐食による複数の穴が見つかった問題を受け、規制委が昨年1月、各電力事業者に調査を指示していた。

穴が開いていると、原発事故時は放射性物質が中央制御室に流入し、運転員が被ばくする恐れがある。

規制委によると、腐食や穴が確認されたのは東北電力女川3号機(宮城県)、日本原子力発電東海第2(茨城県)、東電の福島第1の6号機と柏崎刈羽3、4、6、7号機、中部電力浜岡3〜5号機(静岡県)、北陸電力志賀1号機(石川県)、島根1号機(松江市)。

一部の原発については事業者が既に明らかにしている。

柏崎刈羽では、3号機で見つかった縦約13センチ、横約5センチの亀裂が最大だった。3、7号機では穴や亀裂が計9カ所あった。

これらは全て福島第1原発と同じ沸騰水型原発だった。原因を調査している。加圧水型では外気の取り入れ口の近くにフィルターを設置するなどの対策をしており、問題なかった。

島根2号機では、ダクトを覆う保温材を外す点検で複数の穴が見つかり、最大で横約100センチ、縦約30センチだった。原因は結露や外から浸入した雨水、塩分の付着と推定されている。〔共同〕

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