5/24(木) 11:00配信
神戸新聞NEXT

 兵庫県尼崎市側の武庫川河川敷で4月から、バーベキューの利用が全面的に禁止となった。一部エリアで3年間、有料でバーベキューを楽しめる社会実験を行ったが、臭いや騒音、放置されたごみなどで悩まされ続けた近隣住民からは、やはり「ノー」の声が上がった。(斉藤絵美)

 尼崎、西宮市境を流れる武庫川。尼崎市では市条例で公園でのバーベキューは原則禁止だったが、武庫川河川敷は民家から離れていることを理由に、ごみの持ち帰りや火の始末などのマナーを守ることを条件に容認してきた。

 しかし、近年、マナー違反の利用が急増。炭や生ごみに加えて、コンロやアウトドア用品の放置も目立つようになったという。

 そのため、同市は2015年7月〜17年11月、周辺に住宅が少ない南部臨港部(約1キロ)を、冬場を除く土日祝日に限ってバーベキューができる「可能区域」に指定。1人500円の清掃協力金を徴収するなどして、市指定の業者がごみを処理することにした。

 その結果、3年間で計5998人が利用。利用者アンケートでも、97%の人が「また利用したい」「機会があれば利用したい」と答え、社会実験は好評だったという。

 一方、周辺住民を対象としたアンケートでは、83%が社会実験中に可能区域を利用したことがない、と回答。約3割の人が「改善したと感じるものは特にない」とし、60%が「禁止に賛成」と答えた。

 また、業者への委託費など運営費は3年間で約250万円の赤字となった上、台風などで浸水する場所のため安全性の課題もあり、同市は全域での禁止を決定。4月から河川敷約50カ所に禁止を知らせる看板を設置し、周知を図っている。

 尼崎市の担当者は「住民の声を重要視した。バーベキューができる施設が周辺に複数あるので、利用してもらいたい」としている。

 西宮市側の武庫川河川敷ではすでにバーベキューは禁止されている。

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