【ワシントン時事】トランプ米大統領は1日、史上初の米朝首脳会談を予定通り12日にシンガポールで開催すると発表した。

 首脳会談を「プロセスの始まり」と位置付け、短期間での非核化実現を迫ってきた交渉が想定より長期間かかることを認める事実上の方針転換を行った。一方、北朝鮮が求める体制保証に関しては、朝鮮戦争の終結宣言を実現することで自身の成果としたい考えを示唆した。

 「時間をかけて構わない」。トランプ氏は1日、非核化の進め方について、ホワイトハウスで金正恩朝鮮労働党委員長の最側近・金英哲党副委員長と会談した際、こう語りかけた。トランプ氏は会談後、記者団にやりとりを明らかにすると同時に、12日の会談は「(正恩氏と)知り合いになるための機会」のようなものだと述べた。

 迅速な「完全かつ検証可能、不可逆的な非核化(CVID)」を求める米国と、「段階的な非核化」を訴える北朝鮮の溝は埋まっていない。こうした中でトランプ氏は、非核化まで制裁を解除しないと明言しながらも、首脳会談を1度限りでなく、複数回重ねることで最終合意に至るという現実的なプランに転じたもようだ。事実上の方針転換の背景には、具体的成果よりも首脳会談を「歴史的偉業」として成功させることを最重要視したことがあるとみられる。

6/2(土) 15:04配信
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