https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20180604/0000922.html

戦艦大和の遺物を発見引き揚げ
06月04日 08時13分

おととし行われた戦艦大和の潜水調査に関連して、世界最大の主砲を発射するのに使われた火薬缶と見られる遺物などが海底で見つかり、海洋調査会社によって引き揚げられていたことが分かりました。

戦艦大和は、昭和20年4月7日、沖縄に向かう途中の鹿児島県沖でアメリカ軍の攻撃を受けて沈没しました。
大和が建造された呉市は、おととし5月、鹿児島県沖で無人の潜水探査機を使って調査を行い、およそ50時間の映像を撮影しました。

この調査のあと、潜水探査機を出した海洋調査会社が、大和の遺物と見られる18点を海底で発見して引き揚げ、呉市に寄贈していたことが分かりました。
このうち、鉄製の火薬缶は、直径およそ50センチと他の戦艦の火薬缶より大きく世界最大の主砲として知られる「46センチ砲」を発射するのに使われていたとみられ、その威力を今に伝えています。
このほか、敵の戦艦との距離などを測る測距儀やボイラーの部品、それにランプなどが引き揚げられました。

大和をめぐっては、これまでに昭和60年と平成11年にも、遺物の引き揚げ作業が行われています。
呉市では、今回、発見された遺物を詳しく調査することにしていますが、戦艦大和の資料は、終戦の際に多くが焼却されていることから船の内部構造などを解明する貴重な手がかりとなりそうです。