http://www.afpbb.com/articles/-/3177973?cx_module=latest_top

中ロ印8カ国、連帯アピール=上海機構首脳会議で
2018年6月10日 20:28 発信地:中国

【6月10日 時事通信社】中国とロシアが主導し、インドなど計8カ国が加盟する上海協力機構(SCO)の首脳会議は10日、連帯をアピールする「青島宣言」を採択して閉幕した。習近平国家主席は各国首脳が出席した記者発表会で、「善隣友好関係を促進し、地域の平和と安定、発展を共に追求することで合意した」と述べた。

 SCOは中ロ印のほか、パキスタンと中央アジア4カ国が加盟。首脳会議は中国山東省青島で9日開幕し、準加盟国イランのロウハニ大統領も参加した。

 同時期にカナダで開かれた先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)は米国と他の6カ国の亀裂が目立った。SCO加盟国はこれに対抗して結束し、国際・地域問題に積極的に対応する方針で一致した。習氏は会議で「加盟国は世界経済の20%、人口の40%を占める」と述べ、新興巨大市場の影響力を誇示した。

 習氏はまた、保護貿易主義を否定した上で「多国間貿易体制を支持し、開放型世界経済を建設すべきだ」と主張し、米国一国主義のトランプ政権をけん制。12日の米朝首脳会談が迫る中、北朝鮮の後ろ盾を務める中ロが主導して朝鮮半島情勢も議論し、「段階的非核化」など北朝鮮の主張を容認したとみられる。

 新華社電によると、会議では米国が離脱表明したイラン核合意についても議論し、当事国の一角を占める中ロの方針通り、合意の履行を求める意見でまとまった。

 このほか習氏は、自ら提唱したシルクロード経済圏構想「一帯一路」の建設促進を呼び掛けたが、南アジアへの中国の影響力拡大を懸念するインドだけは支持を表明しなかった。来年の首脳会議はキルギスで開かれる。(c)時事通信社