国産の資源として期待される海底の「メタンハイドレート」は、微生物などによってつくられることが知られていましたが、その具体的な場所が海洋研究開発機構の調査で見つかりました。こうした場所は、南海トラフに沿って多く存在すると見られ、将来の資源開発につながる成果として注目されます。

「メタンハイドレート」は、海底でメタンガスと水が結びつき氷状になったもので、基となるメタンガスは有機物が熱で分解される時にできるほか微生物によってつくられることが知られています。

こうした中、海洋研究開発機構は、紀伊半島沖の水深2000メートルの海底で、泥が噴き出し、地中に多くの「メタンハイドレート」が含まれている場所を見つけ、その成分を分析しました。

その結果メタンガスは地下400メートルから700メートルの地中で、メタン菌とよばれる微生物がつくり出していることがわかったということです。

この場所は、地中の温度が40度前後あり、薄い塩分を含んだ水が入り込んでいて、メタン菌の活動に適していると考えられるということです。

微生物によってメタンハイドレートがつくられている、具体的な場所と詳しい仕組みがわかったのは、初めてで、こうした場所は、日本列島の太平洋側に伸びている南海トラフに沿って多く存在すると見られるということです。

海洋研究開発機構の井尻暁主任研究員は、「この結果は、今後の資源探査の大きな手がかりになり、将来のメタンガス開発につながる」と成果を話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20180614/k10011477071000.html