2018.6.15 09:51
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スーツケースを引いて歩く外国人旅行者 =14日午後、大阪市中央区(志儀駒貴撮影)

 米サンフランシスコ市が慰安婦を「性奴隷」と記した碑文や像を公共物化したことをめぐり、姉妹都市提携の解消を決めた大阪市の吉村洋文市長が、サンフランシスコ市長選(5日投票)の結果確定後に新市長に送付する通知で、改めて公共物化の撤回を求めることが14日、分かった。一定の期間内に回答が得られなければ、自動的に提携を解消することを検討している。

 サンフランシスコ市長選では13日、ライバル候補の撤退を受け、市議会議長のブリード氏(43)が勝利宣言した。開票作業は続いており、結果の発表にはなお時間がかかる見込み。

 吉村市長は、結果の確定を受けて声明を出し、その後約1カ月をめどに、姉妹都市提携の解消を通知する方針だ。通知の中で、公共物化の撤回を新市長に要請する意向という。

 サンフランシスコ市による公共物化は、ブリード氏が議長を務めた昨年11月の市議会決議や当時のリー市長=同12月死去=の決裁という正規の行政手続きを経ており、撤回される可能性は低い。

 サンフランシスコ市の慰安婦像の碑には「日本帝国軍に性的に奴隷化された」という記述がある。吉村市長は「不確かで一方的」と懸念を伝えたが、リー市長は「慰安婦に敬意を払い、世界でやむことのない人身取引の問題を啓発するのが目的」と公共物化を支持した。

 歴史認識の問題に詳しい坂元一哉大阪大教授は「史実に基づかない理念の主張は、過去の反省や謝罪を踏まえて未来を目指す日本と韓国の関係を傷つける」と話している。