毎日新聞 2018年6月14日
https://mainichi.jp/articles/20180614/ddl/k08/040/129000c

 つくば市など県南、県西地域の県立高校8校で先月下旬以降、敷地内の自動販売機を壊し、現金を盗む「自販機荒らし」が相次いでいることが分かった。高校は深夜から未明は人の出入りがなく、防犯カメラもほとんどないため、集中的に狙われたとみて、県教育委員会は注意を呼びかけている。【韮澤琴音、宮田哲】

 県教委高校教育課によると、被害があったのは、つくばのほか、土浦、下妻市などにある県立高校8校で、清涼飲料水の自販機計23台が荒らされた。
 いずれも屋外に設置された自販機で、紙幣や硬貨の投入口付近がこじ開けられ、ほとんどが現金を奪われていた。前日の夜は異常がなく、朝登校してきた生徒や教員が発見したケースが多いことから、深夜から未明の犯行とみられる。

 高校は出入りしやすいうえ、深夜から未明は人通りがなく、防犯カメラがほとんど設置されていない。また、多くの生徒が飲めるよう清涼飲料水の自販機が多数並べて設置されていることから、短時間に効率よく現金を奪えるため狙われたとみられている。
 県教委は13日、一連の被害を県警本部に相談した。また県内の全県立高校に対して戸締まりの徹底を図るよう通知を送り、注意を呼びかけた。

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 つくば市竹園3の県立竹園高校では10日朝、クラブ活動のため登校してきた生徒が壊された自販機を見つけた。9日午後9時半ごろ、警備員が巡回した際は異常がなく、深夜から未明にかけての犯行とみられている。同校は出入り口が4カ所あるが、夜間の施錠はしていないという。

 壊されたのは、屋外に並ぶ自販機6台のうち2台。現金投入口付近の金属板が横約20〜30センチ、縦30〜40センチにわたりめくり上がったままになっている。
 同校の教員は「メチャメチャにされた機械を目にした生徒は、犯罪が行われたことを実感するだろう。教育上良くないし、嫌なことだ」と話していた。