【6月20日 時事通信社】経済協力開発機構(OECD、本部パリ)は20日、移民や難民に関する報告書「国際移民アウトルック2018」を発表した。それによると、2017年の米国への新規難民申請件数は前年比26%増の33万件で、13年から首位だったドイツを抜いてトップとなった。日米欧などOECD加盟35カ国での申請件数は120万件で、前年の160万件から減少した。

 OECDのスカルペッタ雇用労働社会問題局長は、AFP通信に対し「(欧州などを襲った)難民危機のピークは遠ざかった」と指摘し、申請減少の理由を分析した。

 米国での申請はエルサルバドル、ベネズエラ、グアテマラといった中南米出身者が多くを占めた。トランプ米政権は中東など一部の国からの難民受け入れを一時制限したほか、審査を強化し、内外で批判されている。

 一方、欧州のOECD加盟国での申請件数は半減し、ドイツでは前年比73%減の19万8000件にとどまった。ドイツでは難民政策をめぐりメルケル首相とゼーホーファー内相が対立。また、難民救助船の受け入れでイタリアとフランスが応酬を繰り広げるなど、難民問題は欧州の火種となっている。



AFP(時事通信) 2018年6月20日 20:50
http://www.afpbb.com/articles/-/3179337