■動画
https://youtu.be/uueIn-jbVA8

■ネットをざわつかせている「鳥魚」に、専門家が解説。鳥なのか魚なのか......はたまたイルカなのか

中国南西部貴州省の川で釣りに興じていたある男性は、目を疑った。まさか自分の釣り針に、
鳥のような頭部を持った魚がかかるとは予想しなかった。

水面から姿を現したのは淡水魚のはずだが、頭部はどう見ても鳥やイルカに似ていると、
英ザ ・サン紙は伝えている。一体、正体は何なのか。
地元紙の貴州都市報は、この生き物が鯉で間違いないと特定した。

■なぜこんな姿に?
それでも、奇妙な生き物をめぐる論争はやまない。くちばしのような口部と小さな翼にさえ見えるヒレ。
見ようによってはイルカやペンギンの様相さえある。ニュースサイト「ライブ・サイエンス」によると、
奇形の淡水魚が見つかることは珍しくないという。さらに記事では、
英リバプール大学の動物生理学者アンドリュー・コッシンズが万が一にも、
ネットで囁かれている「鳥魚」説はありえないと言いきっている。

コッシンズの見解では、この鯉の鳥のようなくちばしとドーム型の頭部は、
欠陥のある細胞が増殖したせいだという。頭部の骨格系の変形でできた腫脹が、
口を下に傾ける原因になった可能性が高い。

また奇形を引き起こした原因については、「写真のみで奇形の原因を判断することは難しい」としたうえで
「100%、汚染物質が原因とは言いきれない」と指摘。
しかし、魚の遺伝子突然変異、そして正常な細胞増殖を妨げる要素として、
水質の汚染を想定することは合理的だとし、
この鯉も「奇形が頭部だけに限られているのはおかしい」と言っている。

■「鳥魚」の行方は
いずれにしても、この「鳥魚」の奇形は、通常の鯉として生活するには問題はないものだという。
頭部以外は、ごく普通の鯉と同じような大きさで、健康状態も良さそうだ。
逆に超大型の頭部のせいで、神経がダメージを受けた場合は、呼吸や摂食に問題を抱え、
体の成長は滞ってしまうそう。コッシンズは「その鯉は、まともな鯉生を送っていたことだろう」と推測する。

気になるのは「鳥魚」の行方だが、陸で写真撮影に時間を割かれながらも、
川に帰され元気に泳いで行ったと、メトロ紙が伝えている。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/assets_c/2018/06/fish-head-bird-180615-thumb-720xauto.jpg

ニューズウィーク日本版
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