2018年07月04日 水曜日

 熱戦が続くサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会。テレビ観戦して気が付いた。「選手も観客席も、タトゥー(入れ墨)の人、多くない?」。ラグビーのW杯日本大会も開幕まであと1年。観戦客にはタトゥーの入った外国人もいるだろう。開催地の一つ岩手県釜石市の入浴施設は、やっぱり「入れ墨お断り」?(盛岡総局・北村早智里)

 市内にある公衆浴場の経営者は「反社会的勢力に加担する人ではなく、ファッションとしてのタトゥーであれば拒むつもりはない」と寛容な姿勢だ。

 一方、旅館経営者は「浴場を共同使用する旅館では、他のお客さんの目にも付く。できれば個室にお風呂を備えたホテルに泊まってほしい」と打ち明ける。

 W杯期間中の宿泊予約が始まるのはまだ先だが、この旅館では「受付開始日が決まったら、受け入れ対応を生活衛生同業組合で協議したい」と話している。

 公衆浴場法で入浴を拒否できるのは、感染症を患っている人に対してだけだ。旅館業法も宿泊拒否は、賭博などの違法行為や風紀を乱す行為をする恐れがある場合に限られる。
 さまざまな施設で見掛ける「入れ墨をされている方の利用はお断りします」という掲示は、あくまで個別の判断。それでも観光庁によると、全国の旅館やホテルの56%が「利用拒否」を打ち出している。

 訪日客の増加もあって観光庁は入浴・宿泊施設に、タトゥーをシールで隠してもらうなどの工夫を推奨しつつ、宗教や文化に根差したタトゥーもあることへの理解も呼び掛けている。

 「結局、どうしたらいいの?」と開催地の施設が気をもむ中、日本大会組織委員会は対応を各開催地に丸投げ。岩手県W杯推進室は「訪日観戦客の見込みが固まったら議論したい」とのんびり構える。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201807/20180704_33003.html