◆釧路空港→「ひがし北海道空港」? 改称の動き 十勝は困惑

釧路空港の愛称「たんちょう釧路空港」を、「ひがし北海道空港」などに改称する動きが表面化している。
ただ、「ひがし北海道」は圏域の名称で、帯広市や網走市、釧路市などが連携して知名度向上や観光客誘致に取り組んできた経緯がある。
十勝の観光関係者は「特定の空港が『ひがし北海道』を名乗るのはバランスを欠く」と困惑している。

「ひがし北海道空港」への改称方針は釧路市の蝦名大也市長が6月7日、釧路市内で開かれた格安航空会社ピーチ・アビエーションの釧路−関西線就航記念フォーラムで示した。
釧路市によると、釧路空港利用整備促進期成会内に検討組織を設け、年度内にも結論を出す考え。

「たんちょう釧路空港」の愛称は2006年から使用しているが、外国人観光客には釧路の知名度が低いとの課題がある。
そこで、抜群の知名度を誇る北海道の名称を使うべきとの意見が、経済界を中心に根強かった。

「ひがし北海道」エリアには帯広、釧路、紋別、女満別、中標津の5空港がある。
関係する自治体は圏域として連携し、観光誘客や知名度向上などの効果は徐々に表れている。

改称方針は、十勝関係者にとり寝耳に水の事態。
一括民営化など地方空港活性化が求められている時期でもあり、「他の空港のことを考慮していない」「連携に水を差しかねない」との反感がくすぶる。

帯広商工会議所の「帯広空港の民営化に関する検討会議」の笹井祐三座長は「釧路の動きを見極める必要があるが、違和感はある」と話す。
帯広市観光課は「ひがし北海道一体で、航空路線や観光客誘致を進めてきた。
本当に改称するならば、圏域全体での合意形成は欠かせない」とくぎを刺す。

十勝毎日新聞 2018/7/4(水) 14:11
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180704-00010001-kachimai-hok