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安倍首相&金正恩会談で…プーチンが請求する2兆円仲介料
2018.07.05

 外務省北東アジア課を「1課」と「2課」の2つに分け、北朝鮮専従班までつくった安倍政権。2課が北朝鮮を担当する。

 総裁3選を狙う安倍首相は、9月20日に予定されている総裁選の前に金正恩委員長とのトップ会談を実現させ、拉致問題が進展するかのように演出するつもりらしい。

 いま、注目されているのが、9月11日からロシアのウラジオストクで開かれる「東方経済フォーラム」だ。安倍―正恩の首脳会談が実現するとしたら、この国際会議だとみられている。ちょうど総裁選の直前である。「東方経済フォーラム」には、トランプ大統領、文在寅大統領、金正恩、さらに習近平主席が出席する可能性が高い。もちろん、安倍も出席する。プーチン大統領は、北朝鮮に関わるプレーヤーが勢ぞろいする一大イベントにするつもりだ。

 しかし、「正恩との会談を成功させようとしたら、プーチンに巨額の仲介料を取られるのではないか」と懸念されている。

 トランプに「6・12の米朝会談では“拉致問題”を取りあげてもらいたい」と頼んだ時も、巨額の“口利き料”を支払わされたとみられているからだ。拉致問題について頼まれたトランプは、わざわざ日米会談後の共同会見で「安倍首相にとって拉致問題は重要だ」「安倍首相はつい先ほど、数十億ドルもの戦闘機や航空機、農産物を追加で買うと約束した」とバクロしている。

 いったい、安倍はプーチンからどのくらい請求されるのか。筑波大教授の中村逸郎氏(ロシア政治)が言う。

「東方経済フォーラムで日朝会談が実現するか、会談が成功するか、主催者であるプーチン大統領がカギを握っているのは間違いありません。安倍首相のベストシナリオは、正恩委員長に直接、拉致問題の解決を迫り、前向きな回答を引き出すことでしょう。総裁選の直前に拉致問題が進展する可能性が出てきたら、3選は堅いですからね。あのプーチン大統領のことです。『自分に任せたら、すべてうまくやってやる』と、日本に持ちかけて不思議じゃない。実際、ロシアは、正恩委員長に影響力を発揮できる立場にあります。ただ、その見返りに巨額の“仲介料”を要求してくるのは確実です。プーチン大統領は、ウラジオストクから釜山まで鉄道を敷くことで、ロシアの極東地域の経済を活性化させたい。そのためには、ざっと2兆円かかる。その費用を日本に出させようとするはずです」

 安倍の総裁3選のために、日本は世界中から、いくらむしり取られるのか。