https://mainichi.jp/articles/20180711/k00/00m/020/175000c

三菱航空機社長
ボーイング動向注視 MRJへの影響警戒
毎日新聞 2018年7月11日 00時06分(最終更新 7月11日 00時06分)

 国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)を開発する三菱航空機の水谷久和社長は10日、毎日新聞などの取材に応じた。航空機最大手の米ボーイングがMRJのライバル、ブラジルのエンブラエルの小型旅客機事業を事実上買収することについて「(MRJと同等の)90席や70席に注力するか、方向性を見極めるしかない」と述べ、今後のMRJ販売への影響に警戒感を示した。

 今回の買収は、ボーイングが自社機と競合するエンブラエルの100席超の小型機を抑える狙いがあると見られている。ただ、今後ボーイングが100席以下の販売も強化すれば打撃は避けられない。

 また、MRJは現在、補修部品の調達など顧客向けサービスでボーイングから支援を受ける契約を結んでいる。水谷社長は「現在も変わっていないし、今後も変わらないと信じている」と強調したが、両社の協力関係が今後も維持できるかも焦点となっている。
 MRJの新規受注については「商談や声がけはいろいろある」と述べたが、16日に英国で開かれる世界最大級の航空見本市、ファンボロー国際航空ショーでの成約は難しいとの見通しを示した。【小倉祥徳】